ヒトマグロと鐘木人の会話

20XX年あれほど多数が行き交っていた日本人が原因不明の減少を続けついに最後の一人になった。生活環境の未知の異常が原因ではないことを確認するため鐘木人が同じ生活環境に入れられた。
「やっぱ泳ぎ続けないと死んじまうっていう生活がまずいんじゃないかねえ?それも泳ぎ続けて遠くへ行ける訳じゃなし、同じところをぐるぐる回っているだけだろう?相当単純な作りのもんでも嫌になるってのが当たり前と違うかね?」
最後の一人になった日本人は言う。
「そうはいっても僕は日本人。たとえすり切れても最後まで泳ぎ続けるさ。」
「そういえば昔マグロの卵をサバに生ませるっていうしかけがあったっけ?あれって人間に使えるのかな?なんなら日本人の卵を預かってあげようか?」