不決断の日本

日中戦争見聞記―1939年のアジア (講談社学術文庫)

日中戦争見聞記―1939年のアジア (講談社学術文庫)

当時の同盟国だったドイツ人から見た日中戦争中の日本と満州。禁輸によるエネルギーや物資の不足がじわじわと国民生活を圧迫する中で傀儡国家満州の資源開発にまい進する日本。一面では本当に世界の新秩序を構築するかもしれないほどの既成事実を積み上げながらもう一方では「何かにつけ不決断が目立つ」とされる矛盾した日本の社会。でもドイツほど徹底していたら大陸にもう一つアウシュビッツができたことだろう。不徹底な日本だからこそ南京の犠牲者は4万人(秦郁彦氏の推定)で済んだのだ。
昭和史の謎を追う 上 (文春文庫)

昭和史の謎を追う 上 (文春文庫)