名前

「じゃあお名前を教えてください。」
「俊信です。俊敏の俊に信長の信。」
「!?というか、ずいぶん今風でないというか、古風な名前ですね。なんか格式みたいなものを感じますよ。」
「そうでしょ?名は体を表すというか、いつもその名前で呼ばれているとそういう風に育つもんですよね。」
「それでは賢くて信頼できる子に育ってほしいと?」
「まあ、そこまでは考えてなくてのびのび育って欲しいと思ってますけどね。」
「それじゃあ体重を測りますからこちらの秤に載せてください。えーと1キロ800ですね。」
「ちょっとやせ気味ですかね?」
「いいえ、まあ標準じゃないですか?じゃあ予防注射打ちますよ〜、俊信ちゃん。プチッと。」
「ああ、いい子だねえ。」
「今晩からあしたくらいは副反応で熱が出たり吐いたりすることもあるので気をつけてあげてくださいね。」
「ほら、先生ありがとーって。」
「ニャ〜」
「はーいトシちゃんさよなら〜」