真空へのお別れ

スペースセレモニー(株)は風船を用いて成層圏を超える高度3万キロメートルに散骨を行うサービスを提案している。散骨の模様は搭載したカメラで撮影され、落下とともにGPSで回収される。漆黒の宇宙空間を背景に青く輝く地球を眼下に輝きながら落下していく灰は感動の見物である。成層圏をとおる風船はジェット気流で東へ流される。このため、回収を確実にするため東西に陸地の長い北海道を散骨の場所として想定している。それでも深い山地に落下するとカメラの回収は困難であり、今後モンゴル政府との交渉で同意が得られれば草原に落下する航路を計画している。(このお話はフィクションです)