ダークな話3

「おじいさんはさすがに猫に食べられるのはいやだなあと思いました。そこはそれ、人の尊厳というものがあります。せめて虎に食べられるのならまだしも。」
「尊厳て何なの?そんなに大事なもの?」
「まあ誇りみたいなものかな。例えば一文無しで行き倒れになっても最後はちゃんと看取ってほしいみたいな。それって人に対する最低限の礼儀じゃないかな?」
「それじゃあ、誰にも看取られないで一人で死ぬのって礼儀に反するってこと?」
「うーんどうなんだろ?余計なしがらみがない方が気楽でいいっていう人もいるけどね。」