日本の未来

「君の研究計画はなんか地味というか花がないねえ。こっちも億単位の予算を申請しようと言うんだからなんかそれに見合ったわくわく感とか出さないとねえ。」
「えっと、そうですか?じゃあ文章ももっとライブ感とか出していいですか?」
「どういうの?」
「”以上の仮説に基づきこの実験を行った我々は固唾をのんで結果を見守った。するとゴゴゴゴゴ。なんとマーカー遺伝子を発現して緑色に光る胎児が!!ババァ〜〜ン、やった、ついにやった!我々はかつて不可能と罵倒された実験の断崖に一つのくさびを打ち込んだのだ。あとはこの壁を一歩ずつ登るだけだ。たとえ凍りついた垂直の壁であろうと、登りきって見せる、我々にはあのビカール・サンにも勝る意志と体力が備わっているのだ。数々の障害が待ち構えているのは承知の上だ。ピヒュ〜ン、襲いかかる批判的コメント、ズババァ〜突如振ってくるパワハラ、セクハラ疑惑、そんなものが何だ!日本の科学の未来は私たちが掴むのだ〜!”みたいな感じでは?」
「どうせなら申請書を漫画にする?作画は荒木先生で?なんせCellの表紙も描いてらっしゃるからね。」