火星への道2

火星に6人を送り込むとすると宇宙船が60トンになってしまう。往復で2年近くになってしまうのでどうしても食糧と水、燃料が多くなる。燃料を節約する方法として国際宇宙ステーションからプラズマを投射して宇宙船を押す方法が考えられている。減速の時には火星を周回している衛星から逆のプラズマを投射する。減速に失敗するとちょっと恐怖だが。宇宙船自体がエンジンを積む方式では化学ロケットより原子力で水素を加熱して放出するエンジンの方が燃料が半分ほどで済むと考えらえている。いよいよ火星への降下になると恐怖の6分間が待っている。高温、減速、着地点の問題だ。大気との摩擦で表面は4000度程になる。内部が高温になるのを避けるためふくらますタイプの耐熱傘が考えられていて実際に実験されている。減速は500キロくらいの探査車ならパラシュートでOKだったが60トンもの宇宙船だとパラシュートがフットボール競技場ほどの広さになってしまい、耐えられるかが問題。ロケットの逆噴射を使うと燃料を持っていく必要が出てくる。帰還のときの燃料は火星で火星の二酸化炭素を使って作る方法が考えられているが、降下のときの分は持っていかざるを得ない。うまく減速できたとしても着地点の問題が残っている。限られた時間で安全な平地が探せるか、先に投下した物資の近くに着地できるかが問題だ。カナダの企業はレーダーで地表をスキャンして立体像からコンピューターが安全な地点を表示するソフトを開発している。着地の方法は火星ローバーではエアバッグによるバウンドが成功したが、これだと40gほど加速度がかかるため人間だと危険との判断。やはりロケットの逆噴射を利用するしかないが、火星の重力での訓練がしにくいので一発勝負になってしまう。以上BSプレミアムより。