逆さづり

BSの報道したBBC番組によるとガウディのサグラダファミリア教会はもともと垂直の柱ではなく微妙に斜めになった柱で支えられていた。構造計算のない時代になぜそれが適切と考えられたのかというと、重りを先端につけた多数の糸をまとめた形で逆さづりの教会のひな形を作製し、それをもとに模型を作ったからだという。重力に従って重りが糸を引っ張る曲線は逆さにした場合には先端からかかる重量を正しい方向で受け取るはずだ、という発想だ。重量のバランスと重心がどこかによって微妙にバランスが変わるはずだが、物理の問題などで計算を簡単にするためにモデルを単純化する方法が生かされている。現在の教会は石積みのかわりにコンクリートで作成され、柱は垂直に建っているのでガウディの意図したものとは違うのではないかという批判があるという。
ところでダビンチの計画した騎馬像は実現しなかったがやはり逆さづりの模型が作られたという。これは銅を流し込んだ時に泡が残らないようにするため。名古屋国際会議場にあるプラスチックの模型のモデルとされるのがそれらしい。