KBB6

「マスター、ホットミルクちょうだい。ぬるくしてね。」
「このあいだグレイブさんが言ってましたけど、二人で競馬の予想されてるんですって?」
「あいつのことその名前で呼ばないほうがいいよ。アブさんの方がいいと思うよ。」
「どうしてです?」
アブグレイブっていう響きが嫌みたいだね。」
「ひそかに拷問をしてるみたいってことですか?」
「あいつの責任じゃないけど『神田ロカ』みたいなもんで。」
「それはそうと、おしっこのにおいで体調ってわかるんですか?」
「僕をなんだと思ってるんだい。生きたガスクロマトグラフィーってのは僕のことさ。ちょっとでも揮発する成分ならなんとなくにおうよ。」