ケンフォレットに学ぶ読まれる時代小説のコツ

歴史背景を学んで庶民の生活史、産業史、商業史、技術史などを織り込むとリアリティーのありそうな話が書ける。重要な会戦の場面の記述もそうした日常の背景を十分書き込んだ上だとより映える。
昔の人々の内面については本当のところはわからない。主人公は現代的な個人の感覚を持っていても構わない。その方が読者をひきつけられる。
長い小説の読者には女性が多い。女性の読者を意識して書くのもポイントである。原稿を身近な女性読者に読んでもらって意見ももらうのも必要かもしれない。
まじめな話のなかにポルノグラフィーを混ぜ込む。ただし徹底的にリアリズムで書くことで「不埒」な印象を遠ざけることができる。
大まかな話の筋は勧善懲悪ものでかまわない。知的な刺激を求める読者も歴史的なディティールを書き込んであると満足してくれる。
現代の日常生活にも応用が効くような実践的な知識(ある意味で狡猾さ)や教訓を埋め込んでおく。