共振の恐怖

クローズアップ現代によると3大都市圏には1000mを超える厚い堆積層があって地盤が軟らかい。この軟らかい地盤は長周期(6-8秒)の揺れを伝えやすい。50階を超えるような構想ビルはちょうど地盤の伝えやすい周期と一致した固有周期をもち共振する危険がある。スカイツリーはこれを考慮して塔全体と固有周期の異なる心棒を備えることで地震波との共振を打ち消すしかけになっている。東日本大震災震源地から770km離れた大阪で高層庁舎の上端が横に3mもの振幅で揺れ、大きな被害を受けた。この時地面は震度3である。深度1000mに備えられた地盤の地震計とビルの下層階と高層階に設置された地震計の解析で共振の問題が証明された。大阪府は対策として15億円かけて免震ダンパーを多数設置するという。愛知県庁では建物の下に複数の種類の免震装置を置いて共振を避ける方法をとっている。一方固い地盤に立つ東北大学では1秒の短い周期に10階建のビルが共振して柱が折れる大被害が出た。建築基準法は共振の問題を考慮に入れていないので法的規制がない。しかし用心深い建てぬしはちゃんと設計事務所に対策を依頼しているという。マンションなどを購入する際に聞いてみる必要があるかもしれない。