暇つぶしのお話41

「森におおわれた東の島に資源探査に行っていた人たちは原住民の話を聞いて『此の島は島全体が入らずの森なのじゃないか?』と恐れました。それで早々に島から退散しようとする人も出てきました。しかし考えてみれば原住民は狩猟をして現地の鹿や魚を食べてぴんぴんしているわけですから、そこの土地が呪われているわけではありません。頭のまわる人の中には『原住民の話に出てくるアメノイワトには実はお宝が隠されているのじゃないか?』と疑いました。それでアメノイワト探しは冒険者の重要なテーマになりました。」
「探してみたら核廃棄物をためたオンカロみたいな施設だったりしてね。」
「高度な技術を持った文明が技術的に退行してしまうことはありえないことじゃないんだ。高度な航海術を持っていた14世紀の中国はその後遠洋航海を放棄して鄭和の遠征の成果さえ歴史から封印してしまったしね。日本でも鉄砲の技術を実戦から封印して芸事の一種にしてしまっただろう?技術はそれ自体が生命を持っているわけじゃなくて、その時代の政治的な判断に左右されるものだってことだね。その判断の理由が科学的な将来予測とかじゃなくて政治的なライバルの影響力をそぐことが目的だったりしてね。」