暇つぶしのお話24

「”ほなシノメはんにどうやってネタを作るか聞いてみまひょ。”
”まずは『おかしい』こと探さんとあきまへんな。”
”例えば?”
”そうでんなー御父さんがスカートはいてたらおかしいでしょ?”
”おかしいというより気持ち悪い感じしますけどな。”
”これって『ふつうと違う』っていうのがもとで『なんでだろう?』っていう感覚がめざめるんやと思うんですわ。”
”あー例えば御父さんが何か反省してお母さんのかっこしているとか?”
”そうそう。戦争に負けたのを反省してスカートはいてた人っていやはったでしょ?”
”女の人に面目立たんというわけや。”
”そんな感じでね、普段から『これはおかしい、なんでやろ?』っていう気持ちを忘れんとこってことなんよ。それがネタをつくる基本ですわ。”
”例えば人前で化粧するのんは『なんでやろ?化粧の前後の違いを見せつけたいんか?』とか?”
”例えば目の玉の飛び出るようなカネを借りてギャンブルにつぎ込んで悪びれてないのは『ヒトの金は俺のもん、と勘違いしとるのか?』とか?”
”例えばキミのズボンの前が閉まってないのは『タマが蒸れるので風をいれたいんか?』とか?”
”それはよ言いなはれや!”」