トリウム溶融塩炉

原子番号92のウランのかわりに原子番号90のトリウムを使って核分裂性のウラン233を作りつつ発電する原子炉。フッ化リチウムとフッ化ベリリウムの塩を500度くらいで溶かしたものにトリウムを溶かして反応させる。核燃料そのものが液体化しているので遠隔捜査で自動運転しやすく再処理施設がいらない、または簡単になる。特徴はウラン233に副産物として微量のウラン232が伴うがプルトニウムは出来ないこと。またウラン232の崩壊産物のタリウム208から強力なガンマ線が出るので、検出が容易。テロリストが核物質を持ち出そうとしても25cm厚の鉛で遮蔽しないと数時間で致死量の放射線を浴びてしまう。溶融塩は温度が下がるとガラス状の固化体になるので反応炉の下に緊急弁を設置して運転中は冷却を続ける構造にしておくと何か事故が起きると弁が解けて自然に溶融塩が落ちて反応が停止する。という話を聞くと確かに安全そうなのだが、だからと言って小型原発を大消費地の近くに設置できるまで技術がこなれるかは実際に動かしてみて10年くらいみてみないと。

原発安全革命 (文春新書)

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「原発」革命 (文春新書)

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