1,2,3たくさん
ヒトは1,2,3までは直感的に認識できるが4以上になると数えないと分からないという。数を数える行為は空間の中の対象を個別に認識する能力で、脳の一部が出血などで障害されるとものが数えられなくなる。このような人でも1,2,3は区別できる。1,2,3くらいまでは赤ちゃんでも認識できる。しゃべらない1才未満のあかちゃんからどうやってデータをとるかというと、ビデオで視線を記録し、対象を注視する時間を記録するという方法による。興味をもったり、驚いたりした対象については注視時間が長い。たとえば、ついたての蔭におもちゃを1個おき、さらにもう一個置いた後についたてをどかすと、おもちゃが2個あるとすぐに飽きるが、1個しかないと驚いて長い時間注視するという。また数の感覚はアナログで「65よりおおきければ右、小さければ左のボタンを押してください」という課題では数字が65に近づくにつれて反応に時間がかかる。面白いことに、右利き、左利きに関係なく「大きい数字は右のボタン」としたほうが反応速度がはやいという。また心の中の数は直線というより対数を表示したリボンのようなもので、「1000以下の乱数をつくれ」という課題では小さいほうの数に偏る傾向があるという。以上「数覚とは何か」によりました。
- 作者: スタニスラスドゥアンヌ,Stanislas Dehaene,長谷川眞理子,小林哲生
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/07/01
- メディア: 単行本
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