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「忘れてしまうといけないので手紙を書きます。今の時代に紙に書く手紙って変かもしれませんね。でも、このことは電子の流れにのせる気になれなかったので。
この間、あなたの頭のなかに住んでいる宇宙人(七福人?)さんと話をさせてもらって気になったことがあります。たしか『いい宿主がいたらなるべく長生きしてもらう』といっていましたね。うちにはミー君という22歳になる猫がいます。あなたより年上でしょ?日本では18歳以上の長寿猫が多いらしいのですが、ミー君は特別長いほうじゃないかと思います。それで、ひょっとしたらミー君にも七福人の仲間がすんでいるのかも?と思いついたわけです。実は私はあなたの宇宙人話は本当のところ信じていなくて、手術からのがれたいあなたの作り話だと思っていました。ですから、長寿なだけなら、うちのミー君を疑う理由はありません。でも彼はちょっと変わっています。シナモンのはいったミルクティーが好きなのです。数年前までうちにはシナモンという名の別の猫がいたのですが、猫白血病で亡くなりました。ミー君がシナモンティーを飲むようになったのはその後なのです。私がシナモンを思い出しながらお茶を飲んでいると、『ちょっとちょうだい』という顔をするのでためしにあげてみたら飲んだのです。もう一つ思い出すのは、私が中学生のときに、急にいなくなった同級生のことを『宇宙に帰ったんじゃないよね?』と話しかけると、確かにウインクしたのです。その後そういったことはなく、普通の猫らしくしていましたが。
それで、本題です。あなたの頭に本当に宇宙人が住んでいるとして、どうやってコミュニケートしていますか?ミー君にもそのお仲間が住んでいたらどうにかしてコミュニケートする方法はありますか?変な質問と思わないでくださいね。あくまで仮定の話です。
ところで、一緒に暮らす件ですが、もしそうするとしたら、私たちは二人で暮らすのでしょうか?それとも三角関係ですか?」