インスリンのシグナルと筋肉


Mammucari C et al. Downstream of Akt: FoxO3 and mTOR in the regulation of autophagy in skeletal muscle. Autophagy 4(4):524-526, 2008
筋肉の繊維のサイズは合成と分解のバランスによっている。寿命の短いタンパクはユビキチンプロテアソーム系で、寿命の長いタンパクはオートファジーで分解される。転写因子のFoxO3は筋肉特異的なユビキチンリガーゼのAtrogin-1/MAFbxを誘導する。またFoxO3は飢餓の時にオートファジー関連遺伝子のLC3BとBnip3を誘導する。とくにBnip3はオートファゴゾームの形成を引きおこす。一方タンパク合成の活性化はmTORを介しているがmTORの阻害薬のラパマイシンはオートファジーを起こさない。FoxO3はインスリンのシグナルによる調節を受けているので筋肉を痩せさせないためにはインスリン(またはIGF-I)の作用が必要である。